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他のマネジメント研修との違い〜その1〜

2023/04/12

みなさん、「研修」や「コンサルティング」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?中には、やってもムダだ、どうせ何も変わらないだろう、と思う人もきっといるでしょう。しかしそれは、世の中にある大半の研修が、組織が変わるための「本質」をついていないからなのです。そうは言っても、「うちは大丈夫」「自分の会社には関係ない」と考えた人もきっといるはずです。本当にそうでしょうか?優秀な社員が揃っていても、ここで紹介するプロセスがなければ、会社の活力や生産性を改善させることは難しいでしょう。

Woven Work Design は、「管理型」組織から「自律型」組織に変わることを目指して研究をおこなっています。早速聞き慣れない言葉が出てきたと思いますが、会社という組織に入り、日々業務をおこなっているみなさんなら、きっとすぐに理解し、身に覚えのある体験談が出てくるはずです。今回は、Woven Work Designが取り組んできたこと、現在おこなっている研修・コンサルティングが、既存のものと何が違うのか、ということを、項目ごとに分かりやすくお伝えしようと思います。読んでいるうちに、ご自身に当てはまるポイントが数多く出てくると思いますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

Wovenが取り組んできたこと

Wovenは、上記でも述べたとおり、「自律型」組織を目指して研究をおこなっています。

では、「管理型」組織、「自律型」組織とはどんな組織のことなのでしょうか?

例えば、1週間で何をしたのか、という報告書を作成したり、報告のための会議をおこなったりしている組織は、典型的な「管理型」の組織といえます。上司に報告することで、何をおこなっていたのかを把握し、「管理」しているからです。もしこれが、「自律型」組織であれば、その日におこなった活動報告を掲示板などに書き込み、それを上司が毎日業務終わりに確認する、というような形態になります。そうすることで、管理するための報告書を作成する手間がなくなり、「ムダ」な作業を取り除くことができるのです。しかし、「自律型」という新しい仕事の仕方を知らない人は、従来の「管理型」マネジメントに囚われてしまい、その先のステップに進むことができません。

これから説明をするにあたって、理解しておいていただきたい言葉が、「正味(しょうみ)」「付帯(ふたい)」「ムダ」という言葉です。それぞれの意味は、以下のとおりです。

ここで理解していただきたいことが、上記で示した「付帯」には2つの意味があるということです。「正味の付帯」は、正味を生み出すための段取りですので、存在していても問題はありませんが、「管理の付帯」はコストや労働力のムダを生み出し、正味に割く時間を奪うため、その割合を減らしていくことが必要です。しかし、世の中の大半の人は、その事実に気付けていません。

先ほど、「正味の付帯」は存在していても問題はない、と述べましたが、その割合を変えていくことは重要です。例えば、もし商品の品質が完璧であれば、その商品をチェックする必要がなくなるため、正味の付帯(率)は0になります。しかし、実際に提供する商品が、完璧であるということはほぼあり得ません。ですから、いかに正味の付帯率を減らし、正味作業に割く時間を増やすか、ということが大切なのです。そのためのプロセスを、Wovenではおこなっています。

 

この話はとても難しい内容ですので、自分の仕事が「正味」「付帯」「ムダ」のどこに分類されるのか、ピンときていない人が多いと思います。そのために、以下の図を例として示しておきますので、よかったらご覧ください。

 

「管理型組織」がもたらす問題点

ここからは、管理型組織の「何が」ダメなのかを、「正味・付帯」を用いて詳しく説明していきます。

みなさんは普段から「忙しい忙しい」と感じている場面はありませんか?それは、管理型組織になっていることによって、「付帯作業」が多く生まれているからです。よく、「要領のいい人は〜」という言葉がありますが、要領がいい人は、無意識のうちに「付帯」となっている作業に気づき、本当に優先させるべき作業から取り組んでいるため、ムダな時間を作ることなく、仕事を上手くこなすことができています。しかし、最近は真面目な人が多いため、「付帯作業」も「正味作業」も全て一括りにしてしまい、業務が時間内に終わらず、残業が発生するなどの問題が起こっているのです。

例えば、「報告書」を例に用いて考えてみましょう。管理型組織には、業務を報告するための「報告書」が存在します。それを上にあげていくことで、組織のトップまで報告が伝わるようにする、というのが流れです。しかし、これには問題があり、組織が大きくなればなるほど、下から上に報告があがるまでに時間がかかり(おおよそ1ヶ月)、すぐに動き出したい案件があっても、意思決定をすぐにおこなうことができないため、現場の人たちが動けない、ということがあります。また、報告書には大抵の場合、「良くないこと」を書かない傾向にあるため、上司はその報告が事実なのかどうかを疑うことから入るため、上司と現場の人たちとの間で不信感が生まれる可能性があります。

最近では、報告の時間短縮のため、組織をフラット化するという動きが出ています。確かに、そうすることによって、上に報告があがるまでの時間は短縮されるかもしれませんが、現場の人が「報告書を作成する」という業務自体は無くなっていないため、結局のところ「付帯(率)」は変わっていなく、何も改善されていないのです。その事実に気づいていない人が多いというのも、「付帯」ばかりが増え、余計なコストがかさんでいく原因の一つなのです。

 

「自律型」組織にするためには、「報連相」の仕方も大切

自律型組織を目指すためには、先ほどの報告書の話と関連して、「報連相」の仕方を見直すことも大切です。通常の「報連相」は、現場の人が上司に対して報告する時間を取ってもらうように頼むことが一般的かと思います。しかし、そうすることによって「報告のための会議」、つまり「付帯作業」の時間が増えてしまうのです。ここで押さえておきたいことは、「報告のための会議」=「正味作業」ではない、ということです。

良い例として、トヨタの経営の仕方があります。豊田章男社長は、「情報は現場にあり。真実は現場にあり」という言葉を述べています。このことから、本当に現場で起こっていることを確かめるためには、報告書に書かれている内容では不十分である、ということが分かると思います。そのため、トヨタでは「トップダウン」という方式を取り入れており、上から出した命令にただ従わせるのではなく、トップが下におりて実際に現場を見ることで、現場の状況を把握しているのです。そうすることで、先ほど述べた「報告する時間」「相談する時間」をわざわざ別で取る必要がなくなり、「付帯」の減少につながります。

 

「自律型」組織のメリット

それでは、「管理型」と比較して「自律型」になることで何が良くなるのでしょうか?

まず、自律型組織には「報告書」はありません。この時点で、「報告書を作成する」という付帯作業がなくなります。その代わり、トップダウンで上司が現場におりてきた際、どんな作業をしているのか、進捗具合はどうなのか、ということを伝えるために、現場を「見える化」しておく必要があります。「見える化」とは、いったいどういった状態なのか。それは、以下の写真を見てください。

ここでは、「業務内容」ではなく、正味・付帯・ムダを変えるためのふり返りや、KPTがしっかりできているかなどの、デイリーマネジメント/共通的なマネジメントの仕方を書き出します。そうすることで、今の業務の進捗が目標に届いていなかったとしても、チーム内の自助努力で達成できそうなチームであれば上司は見守り、逆に、デイリーマネジメントがしっかりできていないと思われるチームには指導を入れる、というように、本当に助けるべきチームはどこなのかということを明確化できます。そうすることで、管理型組織の時よりも、はるかに多くの組織を見ることができ、上司が実際に現場で対応することで、現場と上司の間で信頼関係も生まれます。

では、どういったプログラムで組織を変えて行くのか。それは、次の記事でご紹介していこうと思います。

組織を再構築する
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