【リーダーシップ概論】 

 DXを実践していくということは、今まで以上にリーダーシップにかかる比重が高く、リーダーシップの重要性が顕在化してきています。 

 自律型のチームにするということは、今まではエンジニアという役割だけで良かった人にもマネジメント力を求められるということに他なりません。 

 一般的に理科系の出身者や論理的に考えることが好きな人、得意な人は技術者として、そしてエンジニアとして職場では高い評価を受け、自分の存在感を示してきました。
これが悪いわけではありません。しかし、DXや自律型のマネジメントを実践するにはバランスが悪いと感じています。 

 私は天秤の原理と呼んでいるのですが、「人間力(品格)」と「技術力」を天秤にかけたときに多少人間力(品格)の方が重い状態でバランスを取るのが最も組織にとっては成長できる状態であるというのがわかってきました。

“仕事というものは一人で完結するものではない。
 技術さえあれば成り立つものでもない。” 

 製品のマーケティング・企画・設計・開発・調達・物流・営業など様々な人たちが関わり合って円滑に機能し、早いスピードで流れる必要があります。
 価値を最もつくり込んでいるのはものづくりの部分かもしれませんが、ビジネスの視点で見ていくと各部署がお互いを尊重し合い、目的・目標に向かって一丸となって動くことが重要になってきます。 

 いくつかの部門を横でつなぐ接着剤的なものが必要になってきます。
この横に繋ぐ接着剤は明らかに技術ではありません。エンジニアにとっては、伝家の宝刀であるかもしれないが、物流担当者にとっては伝家の宝刀にはならないことを考えると、必須なものであるけれど共通の価値ではないことがわかります。

 組織には先輩・後輩、上司・部下など複数の階層化された人間関係の中で仕事が行われています。自分がリーダーになったとき、仲間がリーダーになったときに人に求められる資質とはなんなのだろうか?を考えてみましょう。 

”世の中で最も優れた組織は軍隊であると言われている。
 また、それを参考にして組織デザインされた会社も多く存在する。” 

 リーダーとしての資質と特性には、次のものが必要であるとされています。

<資質>
 ①正直(Honest)
 ②実践力(Competence)
 ③先見性(Forward-Looking)
 ④精神の喚起(Inspiring) 

<行動特性>
 ①現地現物(事実をベースに語る)
 ②原理原則を基本に行動する価値観
 ③自ら考えて行動する
 ④自己責任
 ⑤常にあるべき姿(目的)を考える 

<価値観>
 ①謙虚
 ②感謝
 ③信念
 ④人間性尊重
 ⑤仁(相手の立場になって考える)
 ⑥勇気

 これらの目に見えない資質や特性は一緒に仕事をしていく中で顕在化してきます。
 世の中の多くのリーダー・経営者を見たときに正しいリーダーシップを持っているか否かを見抜くには、上記の資質・行動特性・価値観などをその人に当てはめたときにおおよそは見えてくるでしょう。 

 いくらアジャイル開発の研修やDXの研修を受けてもリーダーシップは向上しないと感じています。リーダーシップが有効になるのは、その人自身の「品格」と「評判」によって決定的になると言われているからです。 

 この評判というのは、すぐに上がるものではなく、社会人経験の中で醸成された、公正・チームに注ぐ愛情・あるべき姿をどうしても達成しようとする揺るぎない決意と評判です。 

 これも見抜くのは経験がないと騙されてしまうでしょう。 

”人間力が高いことと品格を持ち合わせていることと似ているが似ていない。
 人間力が高いと下手をすると品格がなくても隠せてしまう場合がある。” 

 品格とは何か? 

 品格とは・・・

 ①正義
  (ダメなものはダメと言える)
 ②本質を見抜く目
  (流行に流されない。真の原因と対策が見える)
 ③原理原則を基準にした行動
  (ぶれない)
 ④公平・平等
  (ジェンダー・人種・人間性尊重に基づく)
 ⑤変化に柔軟に対応
  (変動対応力)
 ⑥育てる楽しみ
  (部下や上司、周囲を育てる能力を持つ)
 ⑦自律的な組織に貢献する
  (組織への貢献)

 このような能力を持った人かどうかという視点で周囲を眺めてみてください。 

 真のリーダーがあなたの周りに何人いるでしょうか?

 

 一時期、ティール組織という言葉をよく耳にしましたが、最近はあまり耳にすることがありませんでした。しかし、DXと言う言葉が出てきて、ティール組織という言葉がまた聞かれるようになってきました。ティール組織の『ティール』というのは『進化型』という位置づけの組織になっていますが、言い換えると『自律型』という言葉で置き換えることができます。
 ピーター・ドラッカーやティール組織の著者であるフレデリック・ラルーもそう。サンプリングしている会社にトヨタ等、日本を代表するような企業が入っていません。というか明記していない。ドラッカーの場合、代表的な著書である『マネジメント』の中には端々にトヨタをベンチマークしたと思われるような表現が入っています、が、『ティール組織』の著書の中にはそのような片鱗はあまりありません。
 トヨタ流のマネジメントで謳っていた組織のイメージはまさにティール組織そのものなんです。『ティール組織』というこの本が全世界で10万部売れているという事は、まだ世の中の組織の大半が達成型の組織になっているということでしょう。

  『Woven Work Design』では、組織を変えるためのプロセスをモデル化することができました。それが下記のモデルです。このモデルをベースに「ティール組織」のアンケートと比較したところ8割以上がWoven Work Designで定義している組織のあるべき姿と相似点がありました。逆にティールにない日本文化の優位性については比較対象から外しています。

 なにやら、難しい話をしていると思われると思いますが、現在、世の中に存在する様々なマネジメントシステムと比較しても最も素性的に理にかなっているモデルとして自信を持って推奨します。今後組織を変えていきたいと考えられているベンチャー企業や様々な会社様にとって救世主的な存在になれればと考えています。










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